NIK♡EUSKADI 〜バスク生活日記〜

バスク地方に住む日本人のブログ

FUKUSHIMAの続き。

更新が遅くなりました💦 

前回の更新からだいぶ空いちゃいましたが、福島関連の番組の感想を。


f:id:Laztantxo:20171123085529j:plain



スタートは東京から。福島に行く準備をしてる取材班。マスクはもちろん放射線を測る装置も準備。



その後、取材班は福島市や郡山市、そして原発周辺の地域へ。

最初は黒いビニール袋に入った放射能汚染土があるところが写りました。

そこに住んでる人たちは特に変わった様子もなく、普通の生活をしているのですが、子供たちも遊ぶ公園の隣にその汚染土が入った袋が山積み。普通ならなるべく避けたいその放射能汚染土の袋も普段の生活の中に溶け込んでいるというか、もう共存しちゃってるというか。。しかも、中学生くらいの子たちが、その黒いビニールに入っているものが放射能汚染土ということを知らなかったのに、更にびっくり。



そして、取材班は、原発周辺へ。
避難区域(立ち入り禁止区域)に住んでる男性や避難して仮設住宅に住んでるおばあちゃんたち、小さい子供を持つ親御さんたち、そして原発にボランティアとして仕事をしてる人たちに取材してました。


その人たちにインタビューをしてるときに必ず出てきたのが、“ちゃんとした情報が入ってこない”ということでした。


仮設住宅に住んでる1人のおばあちゃんは、もうすぐ避難指示が解除されて、家に戻れると言っていましたが、特に何の説明もなく、家のある地域が避難区域から外れるから戻れますだけ言われたと言っていました…。


甲状腺に問題がある子供さんを持つ親御さんたちは、「政府や会社は大丈夫って言うだけで、他の情報はくれない。正直100%信用は出来ない。」と。


そして、原発にボランティアで働いてる男性にインタビュー。原発で働くときに、会社から放射能の危険性や病気の可能性などの説明もなかったと言っていました。
取材班のリポーターが、「放射能の影響は何年、何十年後に出る可能性もあるのに、何で働くんですか?」と聞かれると、「影響は30年40年かかるって言われてます。その頃私はもう80近くて、死んでるかもしれない。だから日本のため。」と答えていました。



最後に、取材班は、特別許可をもらい原発の中へ。
中に入って取材をする上でいろいろと厳しい条件(服装に関してや放射能が会社が定めている一定量を超えたら取材は終了、取材に同行してる人以外には原発で働いてる人たちには取材しない、撮影可能なところの制限など)の元、取材を。

レポーターは、TEPCOの担当者にいくつかの質問をしていました。すごく気になったのは、その質問に対して、“最終的にはその人たちの判断”と言ってたことでした。

例えば、
「放射能の近くで生活する、または共存という形になるけど、原発周辺の町や村はきれいなのか(放射能はないのか)?それとも今もまだ危険なのか?」という質問に、
「気持ちの上で納得してもらえる材料(情報)は提供しているつもり。ただ最終的に納得してもらって戻るというのは判断してもらうしかない。」
との答え。

そして、
「でも会社(TEPCO)が安全かどうか、大丈夫かどうか言わなきゃいけないのではないか」
と聞くと、
「警戒区域を解除された地域だったら住んでも大丈夫。ただそれでも中には戻りたくない人もいるから
、それはそれぞれの判断。」と。

たぶん、原発の中に入って、こうやって取材を受けるということはある意味貴重だとは思うのですが、すごく気になったのは、質問に対して、“最終的にはそれぞれの判断”と言ってたことでした。

正直、人任せというか。。しかも、納得してもらえる情報は提供してるつもり…?この番組でインタビューされた人たちのほとんどがちゃんとした説明、十分な情報がもらえてないと言っていたのに!
警戒区域の解除だって、説明しなくたって解除しましたって言われれば、「あ、もう住んで大丈夫なのかも」って受け取れちゃう気がします。ましてや、住民の人たち全員、そういう知識があるわけじゃないですし、会社(専門家)が大丈夫って言えば信じる人もいると思います。だから、「はい、解除します」だけじゃなくて、解除する上でのもっと詳しい説明(放射能の量とか危険性とか)をするべきなんだと思いました。



未だにたくさんの人たちが自分の家に帰れないでいます。そして今か今かと家に帰れる日を待ちわびています。
前のようになるには1,2年っていう短い年数じゃないんですよね。そういうこともいろいろ含めて、会社側はいろいろな説明をしなきゃいけないのかなっと思います。


感想がちょっと偏った感じになっちゃいましたけど、わざわざ遠いスペインから日本に行って、こういう話題を取り上げて、原発の中まで入っていろいろ取材してもらって、現実、そしてその場所の声を届けてもらうって、日本人としてありがたいなって思いました。


もう6年過ぎましたし、なかなかそれ関連のニュースも流れてこなかったので、福島の現在、現実が伝わったと思います。


番組はたぶん1時間半、2時間近くくらいだったと思うのですが、見入っちゃって、ほんとあっという間でした。